子どもたちが通っている道場で避けては通れないのが「保護者とのトラブル」です。
どんな道場でも事の大小はともかく1度は経験したことがあるのではないでしょうか。
今回の記事ではそんな保護者とのトラブルを解決する方法についてお伝えします。
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そもそもなぜトラブルになるのか
全ての保護者がそうだとは言いませんが、多くの保護者は自分の子供を第一に考えます。
これは、決して悪いことではなく親として当然の心境だと思います。
しかし、道場の指導者は全ての子供を公平に扱う必要があります。
このギャップが多くのトラブルの原因となります。
よくあるケースとして
「うちの子をもっと見てほしい」
「うちの子だけが試合に勝てない」
という自分の子供への対応を求めてくることがあります。
このような要求があった際に安易に同調する事は危険です。
なぜなら、一度要求を飲むと次から次へと要求される恐れがあるほか、他の親から同一の要求があった時に断ることができなくなるからです。
これは言われてみれば当たり前のことで、この記事をお読みになっている道場長や指導者の方は言われなくても分かっていると思うかもしれませんが、しっかりと肝に銘じて置く必要がある大切な事です。
とはいえ、保護者からの要求が来た際にまったく対応をしないことも難しい状況があります。
では、どのように対応することがよいのでしょうか。
道場の理念に基づいた対応が大切
保護者の要求に対して答える時は「理由」を伝えることが大切です。
なぜなら、人は理由なく断られると反発するからです。
では、どのような「理由」を伝えるのが良いのでしょうか。
例えば、「うちの子を試合に勝たせたいからもっと組手の練習を増やしてほしい」という要望に対して「あなたの子供に合わせた練習だけはできない」と断ることも出来ますが、この方法では「なんで組手の練習を増やしてくれないの?」と保護者側に不満を残す可能性があります。
このような時に大切なのが道場の「理念」です。道場を運営していく上で、指導をしていく上で根幹となる考えである「理念」に基づいた対応をすることをお勧めします。
例えば、先ほどの対応でも道場の理念が試合に勝つことではなく、武道を通して人を育てることであれば
「自分の道場では試合に勝つことも大切だが、それ以上に普段の稽古を通して子供たちを育てる事が道場の方針、理念です。だから、組手の練習ばかり増やさずに子供たちを育てるようにバランスよく練習をしています。」
のように回答する事で保護者との摩擦を減らす事ができます。
しかし、それでも納得しない保護者は少なからずいます。
そのような時はどうしたらいいのでしょうか。実はその対策は保護者が入る前に手を打つことができるんです。
HPなどで理念を前面に出す
保護者が入る前に保護者とのトラブルを減らす方法は、「HPなどで道場の理念をしっかりと打ち出す」という方法です。
理念というと伝わりにくいかもしれないので道場の方針でも良いと思います。
道場の方針をしっかりと打ち出すことで、その方針が良いと思った人たちが入会することが予想されます。
元々求めているものと道場の方針が一致しているためトラブルになる可能性は低くなります。
これが、道場の方針があいまいだったり打ち出していないと色々な要望を持った会員が集まり、やがて道場の方針と合わなくなるとトラブルになります。
もちろんこの方法で全てのトラブルを防ぐことはできませんが、
- 自分の道場の理念(方針)を発信する
- それに賛同する人たちが集まる
- 方向性が同じのためトラブルを防げる
この流れは組織が大きくなればなるほど効果を発揮します。
道場のHPで理念や方針をしっかりと打ち出して入会前からトラブルの芽を摘んでおきましょう。
理念に基づいた対応の注意点
これまでお伝えした理念に基づいた対応には一つ注意点があります。
それは対応する道場長や指導者が理念からブレないという事です。
保護者からの要望に押されて理念と異なる対応を取ったり、時と場合によって対応を変えてしまうとその対応の正統性が失われてしまいます。
そうなると信頼を失ったり今後の道場の方針がブレて自分の思う方向とは違う方向に進んでしまう恐れがあります。
道場運営の根幹を成す「理念」は時々見返してそこから外れていないかチェックする必要があります。
まとめ
今回の記事では保護者とのトラブルの解決方法として
- 自分の道場の理念(方針)を発信する
- それに賛同する人たちが集まる
- 方向性が同じのためトラブルを防げる
という方法をご紹介しました。
これは保護者とのトラブルの解決だけではなく、会員の満足度の向上にもつながるので、ぜひ、道場の理念を改めてHPやSNSで発信してみてください。