はじめに

道場の情報発信というと、
ホームページやInstagram、LINEなどのSNSを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

しかし、地域の方や入会を検討している方に道場の魅力を伝える手段として、
外部向け広報誌も有効なツールです。

外部向け広報誌とは、現在の会員だけではなく、地域住民や入会希望者、保護者、近隣施設など、
道場とまだ接点のない人に向けて発行する情報誌です。

単なる活動報告ではなく、
「この道場に通ってみたい」と思ってもらうための広報ツールとして考えることが重要です。

外部向け広報誌とは、会員ではない地域の方や入会を検討している方に向けて発行する情報誌です。
大会結果などの「実績」よりも、指導者や日々の稽古といった「人」と「雰囲気」を伝えること。
そして、読んだ人が見学・体験に申し込める導線を必ず入れること。
この2つが、入会につながる広報誌の条件です。

今回は、外部向け広報誌を作成する際に押さえておきたいポイントを紹介します。

広報誌そのものが道場経営にどう役立つのかは、道場の広報誌はなぜ重要?で詳しく解説しています。

このコラムを書いた人
大谷悟
  • 道場専門のコンサルタント、ウェブ解析士
  • 武道を職業として成立させるために全国の道場長をサポート
  • 広告を使わずに1年で100人の新規入会者を獲得
  • 道場専門のHP制作サービス(WEB道場)運営
  • 道場検索サイト(武道・道場ナビ)運営
  • 自身も武道有段者で道場を運営
  • 前職は国家公務員として広報や政府開発援助に携わる
道場の会員が増えるコラムを毎週1回配信中

会員向け広報誌と外部向け広報誌の違い

すでに広報誌を発行している道場では、まず「誰に読んでもらうのか」を分けて考えることが出発点になります。

  • 会員向け…すでに道場を知っている人に「これからも続けたい」と感じてもらうもの。
    大会結果や会員の紹介など、通っている方が嬉しい内容が中心になります(→会員向け広報誌に載せたい内容
  • 外部向け…道場をまだ知らない人に「行ってみたい」と感じてもらうもの。
    道場の雰囲気や指導方針など、外から見ただけでは分からない内容が中心になります

とはいえ、はじめから2種類を発行するのは負担が大きいものです。
まずは1種類を作り、外部に配る号だけ一部の記事を差し替える形でも十分です。

広報誌には道場の「雰囲気」が伝わる内容を入れる

道場で指導者が子どもの帯を締めている様子

外部向け広報誌で最も大切なのは、道場の雰囲気を知ってもらうことです。

大会の結果や昇級・昇段などの実績はもちろん重要ですが、
それだけでは「実際にどんな道場なのか」が分かりません。

例えば、

  • 普段の稽古風景
  • 子どもたちの成長
  • 指導者の紹介
  • 道場生や保護者の声
  • 季節イベント
  • 道場内での交流

などを紹介すると、道場の日常が伝わりやすくなります。

特に写真は効果的です。

真剣に稽古している姿だけでなく、子どもたちの笑顔や指導者との交流など、
「楽しそう」「安心できそう」と感じてもらえる写真も積極的に掲載しましょう。

外部の人にとっては、「強い道場かどうか」だけでなく、
「自分や子どもが安心して通えるか」が重要な判断材料になります。

広報誌で伝える「道場の特徴・強み」を1つに絞る

指導者が子どもに蹴りの指導をしている稽古風景

広報誌を読んだ人に、「この道場はどんな道場なのか」を理解してもらうことも重要です。

例えば、

「初心者を丁寧に指導している」
「子どもの礼儀教育に力を入れている」
「大会出場を目指す選手を育成している」
「大人からでも始められる」
「地域との交流を大切にしている」

など、道場によってさまざまな特徴があります。

ここで大切なのは、何でもアピールしようとしないことです。

「自分たちの道場は何を大切にしているのか」を明確にし、
それを広報誌の中で繰り返し発信することで、道場独自のイメージをつくることができます。

また、師範や指導者の考え方を紹介するのもおすすめです。

「なぜ指導しているのか」
「道場生にどんな人になってほしいのか」
「指導で大切にしていること」

などを伝えることで、単なる競技施設ではなく、
「この先生に教えてもらいたい」と思ってもらえる道場を目指せます。

広報誌から見学・体験申込につなげる導線をつくる

広報誌のQRコードから道場のホームページを見る様子

外部向け広報誌は、読んでもらうことがゴールではありません。
最終的には、広報誌を読む → 道場に興味を持つ → ホームページを見る → 見学・体験に申し込む
という流れをつくることが重要です。

そのため、広報誌には必ず、

  • ホームページ
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • SNS
  • 道場の所在地
  • 見学・体験の案内

などを掲載しましょう。

「初心者歓迎」
「見学だけでもOK」
「無料体験受付中」

といった、問い合わせへの心理的なハードルを下げるメッセージを入れるのも効果的です。

QRコードを掲載して、
ホームページや体験申し込みページへ直接アクセスできるようにするのもおすすめです。

ただし、誘導した先のホームページに見学・体験の申込フォームが無かったり、
申し込み方法が分かりにくかったりすると、せっかくの関心もそこで途切れてしまいます。
広報誌を読んでから入会に至るまでの流れは、体験が入会につながらない理由(5A理論で考える検討の流れ)もあわせてご覧ください。

あわせて、広報誌がどれだけ効いたのかを測れるようにしておくと、次の号の改善につながります。

QRコードの読み取り先を広報誌専用のページにする。
体験の申込フォームに「当道場をどこでお知りになりましたか」という設問を入れておく。
こうした仕掛けをひとつ入れておくだけで、「何人が広報誌をきっかけに来てくれたのか」が分かるようになります。

宣伝だけにせず、読者に役立つ情報を載せる

広報誌に載せる役立つ情報を考えるイメージ

外部向け広報誌では、入会募集やイベント告知ばかりにならないよう注意しましょう。

例えば、

「子どもの礼儀を身につけるために家庭でできること」
「武道を習うことで身につく力」
「運動が苦手な子でも始めやすい理由」
「安全に稽古するためのポイント」

など、読者にとって役立つ情報を掲載します。

「この広報誌を読むと勉強になる」と思ってもらえれば、道場への信頼感にもつながります。

また、地域イベントへの参加や清掃活動、他団体との交流などを紹介することで、
「地域に根付いた道場」というイメージをつくることもできます。

こうして書いた記事は、SNSでの発信にもそのまま使えます。
広報誌のために取材した内容を投稿にも回すことで、手間を増やさずに発信量を増やせます。

外部向け広報誌をどこで配るか

外部向け広報誌は、作ることよりも「どこに置いてもらうか」で成果が変わります。

主な配布先としては、次のような場所が考えられます。

  • 公民館・図書館・児童館などの公共施設
  • 学校や学童
  • 地域の商店・整骨院・学習塾・美容室などの提携先
  • 稽古場所の周辺へのポスティング
  • 地域のお祭りやイベントでの手渡し
  • 見学・体験に来られた方への手渡し

ここで注意したいのは、学校・学童・図書館・児童館などは、営利目的の印刷物の設置や配布に事前の確認や許可が必要な場合が多いことです。
持ち込む前に問い合わせておくと、先方にも迷惑がかかりません。

意外と見落としがちなのが、最後の「見学・体験に来られた方への手渡し」です。
その場では入会を決められなかった方も、持ち帰った広報誌をご家族と見ることで、あらためて検討していただけることがあります。

まとめ|外部向け広報誌は「人」と「日常」を伝える

道場の外部向け広報誌は、単なる活動報告ではありません。

地域の方や入会希望者に、

「どんな道場なのか」
「どんな人が指導しているのか」
「どんな雰囲気なのか」

を知ってもらい、道場への興味や信頼につなげるための重要な広報ツールです。
特に意識したいのは、「実績」だけではなく「人」と「日常」を伝えること

そして、広報誌を読んだ人が見学や体験などの次の行動に移れるよう、
問い合わせ先やホームページへの導線もしっかり用意しましょう。

継続的に発行することで、地域での認知度や信頼感を少しずつ高め、
将来的な会員獲得にもつながっていきます。

「道場を知ってもらう」だけでなく、
「この道場に通ってみたい」と思ってもらえる広報誌を目指すことが大切です。

FAQ:よくある質問

Q
外部向け広報誌には、どのような内容を掲載すればよいですか?
A

大会結果やイベント情報だけでなく、普段の稽古風景、指導者の紹介、会員・保護者の声、道場の理念などを掲載するのがおすすめです。
特に、道場の雰囲気や特徴が伝わる内容を意識すると、入会を検討している方の安心感につながります。

Q
会員向けの広報誌と、外部向けの広報誌は分けて作るべきですか?
A

目的が異なるため、内容は分けることをおすすめします。
会員向けは大会結果や会員紹介など「今通っている方が嬉しい情報」、外部向けは道場の雰囲気や指導方針など「まだ知らない方に伝わる情報」が中心になります。
ただし、はじめから2種類を発行するのは負担が大きいため、まずは1種類を作り、外部に配る号だけ一部の記事を差し替える形でも十分です。

Q
外部向け広報誌は、どこに置いてもらえばよいですか?
A

公民館や図書館、児童館などの公共施設のほか、地域の商店や整骨院、学習塾などにお願いする方法があります。
ただし、学校・学童・図書館・児童館などは、営利目的の印刷物の設置や配布に事前の確認や許可が必要な場合が多いため、持ち込む前に問い合わせておくと安心です。
見学・体験に来られた方への手渡しも、そのまま入会検討の材料になるため効果的です。

Q
外部向け広報誌を入会につなげるには、何を意識すればよいですか?
A

広報誌を読んだ後の行動を明確にすることがポイントです。「無料体験受付中」「見学歓迎」などの案内に加え、ホームページや体験申込ページにつながるQRコードを掲載するとよいでしょう。
広報誌を「読むだけの情報誌」ではなく、「道場を知るきっかけ」として設計することが重要です。


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