3C分析は、ビジネスを成功させるために
「市場・お客様(Customer)」「競合(Competitor)」「自分たち(Company)」
この3つを整理して考えるフレームワークです。
難しそうに聞こえますが、自分の道場が「誰に」「どうやって」「何で」選ばれるかを明確にするための考え方と捉えていただければと思います。
本記事では、道場が競合に勝つために押さえておきたい「3C分析について」を解説します。ぜひ、道場経営のご参考にしてみてください。

- 道場専門のコンサルタント、ウェブ解析士
- 武道を職業として成立させるために全国の道場長をサポート
- 広告を使わずに1年で100人の新規入会者を獲得
- 道場専門のHP制作サービス(WEB道場)運営
- 道場検索サイト(武道・道場ナビ)運営
- 自身も武道有段者で道場を運営
- 前職は国家公務員として広報や政府開発援助に携わる

そもそも3C分析とは?
3C分析は、マーケティング戦略を立てるための基本フレームワークです。
3つの「C」から成り立っています。
- Customer(市場・お客様)
→ どこの、誰に、価値を届けるのか? - Competitor(競合)
→ 他の道場と比べて、何がどう違うのか? - Company(自社・自分たち)
→ 自分たちの強み・弱みは何か?
この3つを整理することで、「自分の道場が選ばれる理由」が見えてきます。
また、選ばれる理由が明確になることによって、SNSやチラシ、HPで打ち出していく内容の根幹となるものがしっかりとしたものになります。

3Cのそれぞれのポイント
ターゲットとなる人たちが、「どんな目的で道場に通うのか?」「地域の特徴はどうか?」といった①Customer(市場・お客様)の視点。
「ライバルになる施設はどんなものがあるか?(必ずしも道場だけでない)」「立地やお金の面はどうか?」といった②Competitor(競合)の視点。
そして、「自分の道場の強みや弱みはどんなものがあるか?」という③Company(自分たち)の視点で、分解していくことが大切です。
道場の3C分析のポイント
① Customer(市場・お客様)
- 道場に体験に来る人の属性(親子で体験?社会人?年齢は何歳くらい?)
- 道場に通いたい人の目的(子供の教育・健康・護身術・大会出場を目指したい)
- 地域の人口構成(子ども・学生・社会人・シニア)
② Competitor(競合)
- 近隣の道場やフィットネスジムの特徴はどんなものか?
- 月謝、練習時間、指導内容はどんなものか?
- 口コミ、評判、SNS発信の有無はどんなものか?
③ Company(自分たち)
- 指導者の資格、実績はどうか?
- 道場の立地、施設、月謝はどうか?
- 保護者や生徒はどんな点を評価してくれている?
- 競合に比べて、課題や弱点はなにか?

競合との差別化について知りたい方は以下の記事もご参照ください。
「競合道場と差をつける!武道道場の魅力を伝える3つの視点」
3C分析を道場に置き換えた例
上述したポイントに当てはめて、道場に置き換えた場合で考えてみましょう。
① Customer(市場・お客様)
- 道場周辺の地域には、新興住宅地が多く20〜30歳の子育て層が多い
- 近くには小学校もあり、少子高齢化にも関わらず生徒数は減っていない
- 移動手段としては、車を使っている家族が多い
→小学校低学年のお子さんを持つ家族(お父さん)をメインターゲットの候補へ
② Competitor(競合)
- 近隣には、道場はないがファミリー層向けのフィットネスジムがある
- スイミングスクールも併設しており、子供がスイミングをしている間に親はトレーニングできる
- 月謝は親子で〇〇円。SNSやHPでは「子供:スイミングスクール」+「親:ジム」を打ち出している
→競合のフィットネスジムは、スイミングスクール+ジムを打ち出しており「子供がスイミングスクールに通っている間に、パパやママはジムでトレーニング」という、子と親は別の時間を過ごす形態
③ Company(自分たち)
- 指導者の資格、実績がある(過去に大会で優勝したことがある)
- 通っている生徒が大会で入賞している
- 武道を通して、礼儀を学び、体力をつけることができる点を評価してくれている
- 親は若い頃にスポーツをしていて、礼儀を大切にする体育会系の人が多い
- 月謝は〇〇円(フィットネスジムより安い)。土日や平日の夜に親子体験や通うことも可能
- 競合のフィットネスジムに比べると施設が古く、SNSの発信頻度が少ない
→大会で優勝経験のある指導者。平日の夜に「親子で一緒に」心と体を鍛えられる環境がある
3C分析で見えた道場の強みをターゲットに伝えるコンセプトの作り方

① Customer(市場・お客様)・② Competitor(競合)・③ Company(自分たち)を整理して、自分の道場が提供できる競合にない強みが見えてきます。
では、その強みをどう伝えていくのか?根幹となる「コンセプト」も重要です。
つまり、「一言でいうと、どんな道場なのか?」というものです。上記でまとめたものを例に作ってみましょう。
道場のコンセプト作りを実例で紹介
① Customer(市場・お客様)
→小学校低学年のお子さんを持つ家族(スポーツをしていた30代のお父さん)をメインターゲットへ
② Competitor(競合)
→競合のフィットネスジムは、スイミングスクール+ジムを打ち出しており「子供がスイミングスクールに通っている間に、パパやママはジムでトレーニング」という、子と親は別の時間を過ごす形態
③ Company(自分たち)
→大会で優勝経験のある指導者。平日の夜に「親子で一緒に」心と体を鍛えられる環境がある
【コンセプト例】
月謝◯◯円〜!大会で優勝経験のある指導者の下で、親子で楽しく心身を鍛えられる道場
金額的な優位性や指導者の実績、親子で一緒に心と体を鍛えられるというメリットを一言でまとめています。
上記で設定したコンセプトを軸に、SNSやHP、チラシでターゲットに向けてメッセージを届けていきます。
また、文章だけでなく、使用する写真や動画もコンセプトに合わせることをおすすめします。
3C分析シート(例)
実際に「3C分析」をやってみよう!と思った方向けに、3C分析にご活用いただけるイメージ図を作りました。
上記のポイントや例を参考にしてみて、まずは書き出してみましょう。

まとめ|道場の「強み」を見つけ、発信し、選ばれる
3C分析はマーケティングの基礎ですが「感覚で集客」から「戦略的な集客」に変える第一歩になります。
道場経営は、指導の腕だけでなく「どう選ばれるか」が重要です。
まずは、自分の道場の3Cを書き出してみてください。また、ポイントは「3C分析は一度やって終わりではなく定期的に行うこと」です。
人口の変化・競合の新規参入・自分たちの成長に合わせて、アップデートしていくと効果的です。
「3C分析をしてみたけど、自信がない・・・」そういった方は、ぜひ弊社道場コンサルタントにご相談ください。一緒に強みや競合分析、ターゲット設定まで、サポートさせていただきます。