SNSを使って道場の情報を定期的に発信しているのに、なぜか体験の申込みや問い合わせが増えない——そ
んな悩みを抱えている道場長の方も多いのではないでしょうか?
実は、SNS投稿の「見せ方」や「届け方」にちょっとした工夫が足りていないことで、大きな機会損失につながっていることがあります。
一方で弊社がご支援している道場ではSNSをうまく活用することで、体験を定期的に獲得するなどの成果を上げています。
そこで、この記事では、SNSが思うように効果を発揮していない理由を整理し、改善に向けた具体的な対策を解説します。

- 道場専門のコンサルタント、ウェブ解析士
- 武道を職業として成立させるために全国の道場長をサポート
- 広告を使わずに1年で100人の新規入会者を獲得
- 道場専門のHP制作サービス(WEB道場)運営
- 道場検索サイト(武道・道場ナビ)運営
- 自身も武道有段者で道場を運営
- 前職は国家公務員として広報や政府開発援助に携わる

なぜ「SNSを頑張っているのに集客できない」のか?
まず前提として、SNSは「投稿すれば自然と集客につながる」というツールではありません。
たしかに、SNSは無料で発信できる便利な手段ですが、それだけで勝手に問い合わせが増えるわけではないのです。
特に道場の発信においては、「発信の目的」が曖昧になっているケースが多く見られます。
投稿を“続けること”が目的になってしまい、「誰に何を届けて、どんな行動をしてほしいのか」が抜け落ちてしまっているのです。
一方、SNSからしっかり集客できている道場は、常に“見る側の視点”を意識して投稿しています。
「こんな人に来てほしい」「こんなメリットを伝えたい」といった意図が明確で、その発信の一貫性がフォロワーの信頼感を生み、行動を引き出しています。

「見られていないSNS投稿」にありがちな3つの特徴
投稿内容が「自己満」になっている
道場での稽古風景を毎日投稿している道場は少なくありません。
しかし、見ている人にとっては「毎回同じような写真」「何を伝えたいのかわからない」と感じられがちです。
例えば、「今日はミット練習!」という投稿だけでは、見た人の心には残りにくいのです。
重要なのは、その投稿を通じて「どんな子が、どんな成長をしたのか」「その体験を通じて何が学べるのか」といった物語性を添えること。
SNSは情報の発信だけでなく、“共感”を得るツールです。
自己満足になっていないかを常に振り返りながら、読み手の気持ちを考えた発信が求められます。

体験申込の導線がない/弱い
投稿の最後に「詳細はプロフィールのリンクからどうぞ」と書いていなかったり、そもそもプロフィール欄にホームページリンクが設定されていない道場も多く見られます。
せっかく投稿内容に興味を持っても、行動を起こす“きっかけ”がなければユーザーは離脱してしまいます。
また、リンクが1つしか貼れないSNSの場合でも、「リンクまとめサービス(lit.linkやLinktreeなど)」を使えば、体験申込・料金表・SNS一覧などを一括で見せることが可能です。
導線の工夫は、今すぐできる小さな改善でありながら、体験に直結する重要なポイントです。

継続はしているが「反応を見ていない」
SNSは「発信→反応→改善」のサイクルがあってこそ、効果を発揮します。
にもかかわらず、「投稿は続けているけれど、どれが反応されているかは見ていない」という道場も多くあります。
分析しないまま続けている投稿は、厳しい言い方をすれば“自己満の積み重ね”に過ぎません。
少しの時間をとって反応を見直すだけでも、次の投稿に活かせるヒントがたくさん得られるはずです。

SNSから体験申込につなげる3つの工夫
プロフィール文を整える
SNSで最初に目に入るのはプロフィール文です。
そこに道場の場所や年齢対象、体験可能かどうかなどが書かれていないと、ユーザーは「自分に関係あるのかな?」と疑問を抱き、離脱してしまいます。
たとえば、
- 「〇〇市の子ども向け空手道場」
- 「対象:園児~小学生、体験無料」
- 「今月の体験可能日:毎週土日」
このような情報が入っているだけで、ぐっと親しみやすくなります。

投稿にCTA(行動を促す一文)を添える
どんなに良い内容の投稿でも、最後に「次にどうすればいいか」が書かれていなければ、行動につながりません。
投稿文の末尾に、たとえばこんな一文を加えるだけで効果は変わります。
- 「無料体験、今月も受付中です!」
- 「ご興味があればお気軽にメッセージください」
これが“CTA(Call To Action)”と呼ばれる仕掛けです。
見るだけで終わっていたユーザーの心理に、「ちょっと聞いてみようかな」と思わせるひと押しとなり、体験申込へのステップを踏ませることができます。

ストーリーズ/ハイライトを活用する
Instagramでは、日常的な情報を届けるには「ストーリーズ」が有効です。
たとえば、「体験に来てくれた〇〇くん、笑顔でハイキック!」のような軽い紹介を載せれば、リアルな雰囲気が伝わります。
また、こうしたストーリーズを「体験受付」「生徒の声」「教室の様子」などでハイライト保存しておけば、プロフィールを訪れた人が後からでも簡単に確認できます。
“投稿だけ”では伝わらない情報を、ストーリーズで補う。
この使い分けが、信頼感のあるSNS運用に欠かせません。

SNSだけに頼らない集客設計も必要
SNSはあくまでも、「関係構築の入り口」であり、「体験申し込みを得る最終地点」ではありません。
多くの人は、SNSを見てから「もっと詳しく知りたい」と思い、ホームページにアクセスします。
そこで重要になるのが、先ほどお伝えしたSNSからホームページへの“橋渡し”設計です。
そして、受け皿となるホームページには、次のような要素をしっかり整えておきましょう。
- 体験の流れ(服装、持ち物、所要時間)
- 料金とクラスの案内
- よくある質問
- 申込みフォーム(スマホ対応)
SNSでは伝えきれない情報を補完することで、「問い合わせしてみよう」という判断を後押しできます。
まとめ|SNSは“目的”と“導線”がカギ
SNSで集客を成功させるために必要なのは、更新頻度ではなく「目的」と「導線」です。
誰に何を届けたいかを明確にし、行動を促す仕組みを作ることで、投稿が“反応される発信”に変わります。
そして、SNSだけに頼らず、ホームページやLINEと連携して「知ってもらう→興味を持ってもらう→行動につなげる」流れを作ることが、成果につながる近道です。