「道場にもっと生徒を集めたいけれど、どう宣伝すればいいかわからない…」
「マーケティングって聞いたことあるけど、よくわからない…」
そう感じている道場経営者の方も多いのではないでしょうか。
実際に弊社で相談を受けた道場経営者からも
「折込チラシをしても反応がない」
「SNSをやっても入会につながらない」
という声が多く寄せられています。
空手や柔道など道場経営は「地域密着型のビジネス」。
だからこそ、「どんな地域で」「どんな人に」伝えるかを意識するだけで集客は大きく変わります。
そのカギになるのが エリアマーケティング です。
前回は、マーケティングの基礎を紹介しましたが、今回は、一歩踏み込んだマーケティングについて紹介します。

- 道場専門のコンサルタント、ウェブ解析士
- 武道を職業として成立させるために全国の道場長をサポート
- 広告を使わずに1年で100人の新規入会者を獲得
- 道場専門のHP制作サービス(WEB道場)運営
- 道場検索サイト(武道・道場ナビ)運営
- 自身も武道有段者で道場を運営
- 前職は国家公務員として広報や政府開発援助に携わる

エリアマーケティングとは?

地域に合ったやり方を考えること
エリアマーケティングとは、地域の特徴を調べて、集客や運営に活かす方法です。
前述しましたが、道場経営は「地域密着型のビジネス」。
なので、地域の特性を活かした戦略を考えることが重要です。
例えば、
・子どもの数が多い町 → 少年部を強化
・共働き家庭が多い地域 → 夜遅めのクラスを設定
・高齢者が多い地域 → 健康づくりのクラスを導入
といった具合に、地域ごとのニーズに合わせて戦略を変えることができます。
言い換えると、「地域に合ったやり方を考えること」がエリアマーケティングなのです。
道場にどう役立つのか?
空手・柔道・空手などの道場は、スーパーや学習塾と同じように「通いやすさ」「生活スタイル」と直結しています。
そのため、エリアマーケティングを取り入れることで、効率の良い集客や生産性の向上にもつながっていきます。
例えば、
・チラシを配るエリアを絞れる
・地域のイベントに合わせたPRできる
・クラスの時間帯を調整できる
上述のように、「どこの、誰に、何を伝えるのか」を明確にすることによって、広告費の削減や問い合わせから入会の歩留まりの向上を見込めます。
また、クラスの時間を調整することによって、他の作業にも時間を割けるようになります。
最初に見るべき4つのポイント
実際に埼玉県の道場では、オープンにあたり市区町村の人口データや近隣の学校の生徒数を調べたところ、小学生人口が他地域の1.3倍も多いことが分かりました。
そこで少年部を強化した結果、半年で20名以上の新規入会につながった実績があります。

人口構成をチェックする
まずは「その地域にどんな人が多いか」を知ることから始めましょう。
市区町村のホームページや統計データを見れば、子どもの数や高齢者の割合が分かります。
- 子どもが多いエリア → 少年部や親子クラスを強化
- 高齢者が多いエリア → 健康づくりや護身術を取り入れる
- 若い世代が増えているエリア → SNSを中心にした広報が効果的
道場は「誰のための場なのか」を明確にすることで、メッセージが伝わりやすくなります。
学校区・学区を把握する
例えば、子ども世代をターゲットにする場合、学校区を意識することが非常に大切です。
「どの小学校・中学校の子どもたちが多く通っているか」を知ると、集客がぐっと効率的になります。
- 学校の近く → 下校時に目に入りやすい場所でPR
- 学区ごとの児童数 → 多い地域に絞ってチラシやポスティングを実施
- PTAや地域イベントに参加して信頼を築く
「うちの学校の友達も通っている」という安心感が、入会の大きなきっかけになります。
実際の例
競合状況を確認する
近隣に同じような道場やスポーツ教室があるかどうかを調べましょう。
競合の存在はマイナスではなく、「差別化・魅力のヒント」になります。
- 空手や柔道の道場が多い → 例:その道場は何を打ち出しているのか?
- 学習塾が多い → 例:学習と両立できる時間帯にできているか?
- フィットネス系が多い → 例:フィットネスにない「親子で通える」という強みをアピールできているか?
競合の料金や立地、クラス編成を調べ、自分の道場ならではの魅力を整理すると良いでしょう。
交通手段・通いやすさを考える
道場経営において「通いやすさ」は大きな決め手です。
徒歩・自転車・車、どの交通手段が主流かを把握しておきましょう。
- 徒歩・自転車が多い地域 → 学校や住宅街の近くに看板を設置
- 車文化の地域 → 駐車場の広さを強調する
- バスや電車利用が多い地域 → 駅前やバス停付近での宣伝が効果的
アクセスの良さは、保護者にとって「送迎のしやすさ」に直結します。特に小さなお子さんをターゲットにするなら、必ず考慮すべきポイントです。
まとめ:地域のニーズを把握する

道場経営において大切なのは、「技術力」だけではありません。
地域に住む方々から「この道場に通わせたい」「自分も参加したい」と思ってもらえる環境を整えることです。
そのために役立つのが、今回ご紹介した エリアマーケティング です。
エリアマーケティングを取り入れると、地域ごとの人口や学校区、競合状況、交通手段といった特徴を把握できます。
それに基づいてチラシを配る場所を選んだり、クラスの時間帯を調整したり、宣伝媒体を変えたりすることで、少ない労力でも効率的に集客が可能になります。
弊社ではこれまで多くの道場を支援してきましたが、成功している道場には共通点があります。
それは「感覚ではなく、地域データに基づいた戦略」をとっていることです。
小さな改善でも、数字を根拠にした施策は再現性が高く、安定した集客につながっています。
道場は「地域の中の教育・文化・交流の場」です。
地域に合った発信を続けることで、道場は単なる習い事の場ではなく、「信頼される存在」として根付いていきます。
勘や感覚だけで動くのではなく、地域のデータや特徴をヒントにすること。
それがこれからの道場経営を安定させ、未来につながる生徒募集の基盤となります。
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